2014年9月21日日曜日

未だ見ぬその先へ

”久しぶりにあの沢へ行ってみよう”

そう思い、偶然入った沢へ、遠い記憶を頼りに車を走らせる。

目的地に近づくにつれ記憶は蘇る。また美しい魚達は出迎えてくれるだろうか…

この沢に入るのは二年ぶりであったが、今回もその時と変わらない素晴らしい渓相と水が迎えてくれた。
前回と同じ区間を流していくも、小型の魚のチェイスしか無い。

”この先にも魚は居るのだろうか”

その思いは私の冒険心に火をつけた。

前回引き返した目の前にそびえ立つ大堰堤を越え、初見の区間に足を踏み入れる。
そこには多数の大きな岩が重なり、いくつもの小さな滝を産み出していた。

連続する小さな滝壺にルアーを入れた途端に魚からのコンタクト。
着水バイトの主は綺麗な谷ヤマメであった。

魚の顔も見れて一安心。さらに奥へ歩みを進めると今度はゴギが出てきてくれた。



再び現れた堰堤を越えると、本格的に源流の様相。
白泡へルアーを放れば綺麗なゴギ達が遊んでくれる。

多くの綺麗な魚達に遊んでもらい歩き疲れた私は、大きな岩に腰を下ろしタバコに火をつけた。

ふと足下を見ると、ネムノキの花が夏の終わりが近づいていることを教えてくれていた。
川はまだ先へと続いている。

”この先は来シーズンに取っておこう”

こうやって、来シーズンへの楽しみを増やすのも、禁漁を迎える準備なのかもしれない。

来年もこの沢で美しい魚達に出逢えることをを願いつつ、心地良い疲れとともに帰路に着いた。